昨日、6月28日にクリニックの開院1周年の記念講演会を開催いたしました。遠方の他府県からもご参加下さった方もいらっしゃって、百数十名もの参加者となり、大盛況でした。
 
講演は午後からでしたので、午前中にリハーサルをしたら90−100分くらいでしたので、これなら時間配分をして90分くらいに収まるようになると思っていましたが(予定の講演時間は90分でしたが、100分になってもOKでした)、何故か本番では60分を少しすぎて終わってしまいました。

私の気持ちが高まったのか、やや早口になりそれがつまりつもって時間の短縮になったと思われます。誠に申し訳ありませんでした。しかし「コンパクトでわかりやすかったです」「集中できました」という意味のご意見を頂き、更に「質問時間が1時間もとれてよかったです(本来は30分の予定でした)」というように言われまして、自分なりに納得できました。

講演内容はしっかりお伝えましたが、皆様ご理解してくださり、それを象徴するように、1時間もの質疑応答となり(講演が1時間で質疑応答も1時間!)、皆様満足されたと思います。しかし、多岐にわたるご質問を受けまして、今更ながらアトピー性皮膚炎の奥深さ、多くの方々へ及ぼしている深い影響を痛感致しました。これらを解決すべく努力致します。

今後ともより精進して、ステロイドフリー・プロトピックフリーの治療に邁進する所存です。診療時間内では時間の制約もあり、限られたお話しかできないこともあります。講演会では私は普段お伝えできない事も詳細にお伝えできますし、また患者さんの方々はそういう話をきいてご自由にご質問もできます。またこのような講演会を企画して、皆様に情報をお伝えして、アトピー性皮膚炎をよりご理解して頂き、治療の手助けとなっていただければ幸甚です。

アトピー性皮膚炎は、ステロイドフリー・プロトピックフリーの治療に加えて、私が考えるアトピー性皮膚炎の原因(アレルギー、細菌感染症、ストレス)を、同時に改善すれば治癒すると考えています。実際、多くの方々がこれまでその治療で完治(症状もなく、薬も不要な状態です)となっております。

それでもステロイド・プロトピックを長年塗布して改善せず、困っていらっしゃる方々は次々と受診されます。そういう方々と信頼関係を築き、リバウンドも最小限に抑えるように、より良い治療を目指して勉強する日々です。

講演会を司会、進行、運営して下さった、全てのスタッフの皆様に、改めてお礼申し上げます。ありがとうございました。 

 成人の方のアトピー性皮膚炎のリバウンドの場合、家族の理解と協力が肝要です。しかし、それぞれのご家族によってその理解と協力がの程度に差が見られます。ご夫婦のどちらかがリバウンドで辛い時、やはりパートナーの援助の力は絶大です。実例をご紹介致します。
 
 実例1.ステロイドを30年以上塗布し、改善しないのでプロトピックも5年間併用塗布して、それでも改善しなかったので、自分でそれらを中止してリバウンドを発症した成人女性が、近畿地方の他府県から受診されました。全身じくじくで浸出液が多く、顔面や手足も腫れあがり、今まではめていた指輪も指が腫れてはめれない状態でした。

じくじくの状態からMRSA(抗生物質耐性の黄色ブドウ球菌)の感染症と思い、すぐに治療をして同時に検査をしましたが、やはりMRSAが検出されました。MRSAに効果のある抗生剤でその状態は改善しましたが、その後に全身型の単純ヘルペス感染症(カポジ水痘様発疹症)を発症し、それも抗ウイルス剤で改善しました。

痒みも強く、不眠もあり、睡眠薬も加えた内服、外用で治療して、リバウンドは約4ヵ月で改善しましたが、その後も痒みは強く、傷が絶えない状態でした。抗アレルギー薬、抗ヒスタミン剤等の内服を色々組み合わせましたが、十分に改善しません。初診から1年しても、まだ痒みも強く、傷も多くありました。

その女性はいつもお一人で受診しましたが、スキンケア―も全身なので時間もかかります。初診から1年2ヵ月目の時、私が「ご主人はスキンケア―を手伝ってくれますか?」と尋ねました。その女性は家族の話は今まで一切しなかったので、私も今までそういう話はしませんでした。すると「主人は、『掻いているから治らない。掻いてはダメだ。』というだけで、何も手伝ってくれません。」との答えでした。これはご夫婦のチームワークが不十分と思い、一度ご主人と共に受診してもらうよう頼みました。ちなみにご主人はアトピー性皮膚炎はありません。

アトピー性皮膚炎の方々は強い痒みで、掻きたくはなくても掻いているのが実情です。ですので、「掻いてはいけない」「掻いてはダメだ」と言うのは、かえって患者さんにストレスを与えるので禁句です。私は、リント布(というソフトな布)でカバーした上からなら掻いてもかまいません、というようにアドバイスしてストレスを緩和しています。

その女性は、ご主人がスキンケア―を手伝ってくれないばかりか、「掻いてはダメだ」と言われて、更にストレスが強まり、痒みも増強し、不安も出てきて、改善が遅れていました。そこでご主人に来てもらい、上記の事を説明し「掻いてはダメだ」と言わないようにお願いすると共に、スキンケア―を手伝ってもらうように頼みました。

ご主人はそれらを理解してくれ、それからは時々は一緒に受診するようになりました。すると急速に改善が見られ、痒みもあるが以前ほど強くはなく、傷も著明に減少しました。初診から2年後には、軽度のアトピー性皮膚炎があるのみとなり、2年半後には完治しました。最初はご夫婦のチームワークが悪く、悪化状態が長引いていましたが、その後チームワークを確立して、愛情で完治した例です。私はもっと早くご夫婦のことをきけばよかったと反省して、現在は改善状態が悪い時は、さしつかえのない程度に、ご家族のご協力体制を尋ねるようにしています。

 実例2.ステロイドを30年以上塗布し、改善しないのでプロトピックも10年間併用塗布して、それでも効果がないので、自分でそれらを中止して、リバウンドを起こした成人男性が、奥様と共に近畿地方の他府県から受診されました。全身じくじくで浸出液も多く、顔面や手足も腫れあがり、この方もMRSAと思い、その治療をしながら検査をするとMRSAが検出されました。またこの方もその後カポジ水痘様発疹症を発症されました。しかし、それも抗ウイルス薬で改善しました。

この方は毎回奥様と共に受診されました。尚、奥様はアトピー性皮膚炎はありません。そしてご夫婦で、リバウンドの説明をよく聞いて理解し、いつも一生懸命質問をして帰られました。もちろんスキンケア―も奥様がサポートしていました。痒みも強く、不眠も最初はありましたが、奥様の励ましもあり、不安は強くはありませんでした。

更にこの方はリント布カバーを色々工夫して、掻いても傷ができないようにしていました。ある時は、足のリント布を上からとめるのにストッキングをはいてきて(奥様のアイデアというとでした)、うまくカバーしていました。そして、痒みも不眠も速やかに改善しました。

ご夫婦のチームワークは抜群でした。ご夫婦で協力するのが楽しいようで、改善につれ外来でもよくお二人が微笑むのが印象的でした。そうするとこの方は約2ヵ月後にはリバウドが改善し、半年後にはアトピー性皮膚炎も著明に改善し、何と9ヵ月後には治癒しました。そこで投薬を中止しました。その後1年後に再診されましたが、その時は診察のみと言う感じで、投薬も不要で完治していました。それ以後再発もなく、現在は受診しておりません。ご夫婦のチームワークが最初からよく、そのため改善、治癒が非常に早かった、嬉しい例です。

このように、ご家族のチームワークは非常に大切です。パートナーがいる場合はパートナーとの協力で頑張って下さい。またお子様がアトピー性皮膚炎の場合は、お母様がケアーをする中心になりますが、一人ではかなり大変ですし、ストレスもかかります。是非、お父様もご協力されて、チームワークでアトピー性皮膚炎を克服してください。







 

 アトピー性皮膚炎の治療には、チームワークが必須です。患者ー医師との相互の信頼と協力のチームワークはもちろんですが、家族のチームワークも大切です。しかし、意外と家族のチームワークが完備していない方々が多く見られます。理由は、ステロイドに対するマスコミやインターネットの情報が多すぎて、間違った知識で混乱し、家族間の意見が一致しないからです。

 実例:アトピー性皮膚炎の乳児を連れた両親が、中国地方の他府県から受診されました。既にステロイドを数ヵ月塗布していて改善せず、両親は自己判断で中止して、リバウンドを起こしていました。この場合、両親はステロイドフリーの治療を強く希望され、両親のチームワークは良かったのですが、父型の祖父母(つまり母親にとっては舅と姑)が、ステロイドの害を理解していませんでした。

この乳児は、かなり強いステロイドを全身に塗布されていて、その為に強いリバウンドがおこり、悪化状態が長引いていました。それを両親は理解して私の治療を継続してくれていましたが、ある時、祖父母が一緒に来院し、「この悪化状態を早く改善したいので、ステロイドを使って欲しい」と、強引に要求しました。

私はステロイドの副作用やリバウンドの説明を詳細にしましたが、祖父母は聞く耳を持ってくれません。あげくの果てに外来で、祖父母が両親と口論を始めるありさまでした。後で両親に聞くと、家でもいつも口論が絶えないということでした。

しかし、アトピー性皮膚炎は精神的ストレスや不安でも悪化しますので、家族が言い争うのは、この乳児には非常に悪影響を及ぼしていました。要するに、両親と祖父母が口論する度に、アトピー性皮膚炎は悪化していたのです。そういうことも説明しましたが、祖父母は理解してくれませんでした。しかもその後、祖父母はなんと強引に地元の病院に乳児を入院させて、またステロイド治療を受けさせてしまいました。

入院中は少し改善しましたが(しかし軽度程度です)、退院してステロイドをやめると、また強いリバウンドを起こしました。その状態で私の所を受診されました。そこでリバウンドの説明を再度詳細にすると、乳児の悪化の状態とその原因(ステロイドを塗布してその後中止した事)も認識されてようやく祖父母もステロイドの害を理解してくれるようになり、その後は両親との口論も無くなりました。

結局1年半かかりましたが、その乳児はその後治癒して、現在は再発も無く、完治しています。このように、家族全員がステロイドの弊害を理解して、同じ方向を目指して一致団結する、いわばチーム医療が、アトピー性皮膚炎の治癒には必須です。

両親はお子さんの治療に加えて、祖父母との対立もあり、大変な状況であったと思います。特に母親は、舅と姑が相手ですので、辛い日々の連続だった思います。しかし、父親の愛情で母親をサポートし、それらを克服し最後は完治した例です。


 
 


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