私は今までに色々な総合病院で勤務をしてきましたが、私だけの専属のスタッフの方々はいませんでした。総合病院ですからそれは当然ですが、それでは詳細な説明が十分にできません。現在はクリニックでの診療となり、ステロイドフリー・プロトピックフリーの治療方針を理解して賛同して下さっている素晴らしいスタッフの方々が私の治療方針やスキンケア―、食生活、その他色々な事を詳細に患者さんに説明して下さっています。その意味では現在は最高のスタッフの方々に恵まれたと、喜ぶ日々です。

また患者さんの辛い気持ちを共感して下さることも、スタッフの方々の大切で、ありがたい役割です。私が診療中に治療の説明をして、辛い気持ちへの共感もします。そして私の後で、スタッフの方々が更に丁寧に治療の詳細な説明や、共感をして下さります。これを私達はチーム木俣と呼んでおります。私はチーム木俣を支えて下さるスタッフの方々に心から感謝しております。

現在の当クリニックは、木俣の医学的な説明と治療薬物療法のみではなく、スタッフの方々の親身な説明、食生活の指導、真心をこめた共感と励ましで改善度がグレードアップしているという嬉しい状況です。開院して1年が過ぎましたが、この1年を総合的にみると現在の治療レベルは今までの長年の私のステロイドフリー・プロトピックフリーの治療の中で、最高のレベルと言えます。

当クリニックにはリバウンド中の方々、またはアトピー性皮膚炎が悪化されている方々、そして周囲との人々がステロイドフリーの治療を理解せずに悩んでいる方々が、大阪府や遠方の他府県からも多数受診されます。そういう方々をチーム木俣のスタッフの方々が懇切丁寧にサポートいたします。

例えばステロイドやプロトピックを長年塗布して中止してリバウンドが起きます。しかしリバウンドは必ず改善する状態です。でも、その改善の期間は人それぞれで違います。その間は強い不安に襲われますが、そういう不安もチーム木俣は優しくサポートして不安を減弱させます。

 実例:ステロイドを数年間塗布し、改善せず、ステロイドフリーの治療を希望して、東海地方の他府県から小児の方がご両親と受診されました。既にリバウンドを起こしていました。浸出液も多く、全身状態からMRSAによるとびひ状態と考え、その治療をしました。細菌培養の結果はやはりMRSAでした。

MRASによるとびひ状態は次回受診時にはかなり改善していましたが、リバウンドで浸出液も多く、痒みも強く、夜も不眠でした。ご両親は大変不安でしたが、私が医学的に説明を詳細にして、リバウンドは時間がかかるが必ず改善すること、痒みや不眠も改善すること等を詳細に説明し、安心されました。

このお子さんは朝はパンで洋食派で、スナック菓子も大好きという洋菓子派でした。更に家族で時々、ファストフードも食べるというファストフード派でもありました。ファストフードは高脂肪のことはいうまでもありません。そこで食生活で和食にすることを勧めました。洋食は脂肪分が多く、痒みが増します。たとえばお茶碗一杯のごはんと、食パン1枚ではカロリーはほぼ同じですが、脂質が食パンのほうが何と20倍以上多いのです。

朝はごはんと味噌汁、納豆、海苔、魚(フライではなく、煮魚か焼き魚)にしてもらい、食生活では全体的に魚を主体で肉を減らして、更に脂肪分も減らしてもらいました。スナック菓子も辞めて、おやつは脂っこいスナック菓子は全て辞め、和菓子のせんべいにしてもらいように、指導しました。

その後、待合室でスタッフの方が、更に詳しく、リバウンドの経過、食生活、リント布(という患部をカバーする柔らかい布)のカバーの説明をされました。スタッフの方はご両親の不安の共感もして下さり、来た時とは別人のように明るく、そのご両親は帰られました。

ご両親も朝はパンの洋食派でしたが、すぐにご家族全員和食派になり、納豆もご家族全員で毎朝1パック食べるようになりました。スナック菓子、ファストフードは一切無しです。その後、そのお子さんは痒みも不眠も次第に改善して、ご両親も受診の度に不安が減り笑顔が見られるようになりました。そして、約1年かかりましたが、そのお子さんは治癒されました。東海地区からの通院、本当にお疲れ様でした。チーム木俣のサポートが改善を早めた嬉しい実例です。


 
 

昨日、6月28日にクリニックの開院1周年の記念講演会を開催いたしました。遠方の他府県からもご参加下さった方もいらっしゃって、百数十名もの参加者となり、大盛況でした。
 
講演は午後からでしたので、午前中にリハーサルをしたら90−100分くらいでしたので、これなら時間配分をして90分くらいに収まるようになると思っていましたが(予定の講演時間は90分でしたが、100分になってもOKでした)、何故か本番では60分を少しすぎて終わってしまいました。

私の気持ちが高まったのか、やや早口になりそれがつまりつもって時間の短縮になったと思われます。誠に申し訳ありませんでした。しかし「コンパクトでわかりやすかったです」「集中できました」という意味のご意見を頂き、更に「質問時間が1時間もとれてよかったです(本来は30分の予定でした)」というように言われまして、自分なりに納得できました。

講演内容はしっかりお伝えましたが、皆様ご理解してくださり、それを象徴するように、1時間もの質疑応答となり(講演が1時間で質疑応答も1時間!)、皆様満足されたと思います。しかし、多岐にわたるご質問を受けまして、今更ながらアトピー性皮膚炎の奥深さ、多くの方々へ及ぼしている深い影響を痛感致しました。これらを解決すべく努力致します。

今後ともより精進して、ステロイドフリー・プロトピックフリーの治療に邁進する所存です。診療時間内では時間の制約もあり、限られたお話しかできないこともあります。講演会では私は普段お伝えできない事も詳細にお伝えできますし、また患者さんの方々はそういう話をきいてご自由にご質問もできます。またこのような講演会を企画して、皆様に情報をお伝えして、アトピー性皮膚炎をよりご理解して頂き、治療の手助けとなっていただければ幸甚です。

アトピー性皮膚炎は、ステロイドフリー・プロトピックフリーの治療に加えて、私が考えるアトピー性皮膚炎の原因(アレルギー、細菌感染症、ストレス)を、同時に改善すれば治癒すると考えています。実際、多くの方々がこれまでその治療で完治(症状もなく、薬も不要な状態です)となっております。

それでもステロイド・プロトピックを長年塗布して改善せず、困っていらっしゃる方々は次々と受診されます。そういう方々と信頼関係を築き、リバウンドも最小限に抑えるように、より良い治療を目指して勉強する日々です。

講演会を司会、進行、運営して下さった、全てのスタッフの皆様に、改めてお礼申し上げます。ありがとうございました。 

 成人の方のアトピー性皮膚炎のリバウンドの場合、家族の理解と協力が肝要です。しかし、それぞれのご家族によってその理解と協力がの程度に差が見られます。ご夫婦のどちらかがリバウンドで辛い時、やはりパートナーの援助の力は絶大です。実例をご紹介致します。
 
 実例1.ステロイドを30年以上塗布し、改善しないのでプロトピックも5年間併用塗布して、それでも改善しなかったので、自分でそれらを中止してリバウンドを発症した成人女性が、近畿地方の他府県から受診されました。全身じくじくで浸出液が多く、顔面や手足も腫れあがり、今まではめていた指輪も指が腫れてはめれない状態でした。

じくじくの状態からMRSA(抗生物質耐性の黄色ブドウ球菌)の感染症と思い、すぐに治療をして同時に検査をしましたが、やはりMRSAが検出されました。MRSAに効果のある抗生剤でその状態は改善しましたが、その後に全身型の単純ヘルペス感染症(カポジ水痘様発疹症)を発症し、それも抗ウイルス剤で改善しました。

痒みも強く、不眠もあり、睡眠薬も加えた内服、外用で治療して、リバウンドは約4ヵ月で改善しましたが、その後も痒みは強く、傷が絶えない状態でした。抗アレルギー薬、抗ヒスタミン剤等の内服を色々組み合わせましたが、十分に改善しません。初診から1年しても、まだ痒みも強く、傷も多くありました。

その女性はいつもお一人で受診しましたが、スキンケア―も全身なので時間もかかります。初診から1年2ヵ月目の時、私が「ご主人はスキンケア―を手伝ってくれますか?」と尋ねました。その女性は家族の話は今まで一切しなかったので、私も今までそういう話はしませんでした。すると「主人は、『掻いているから治らない。掻いてはダメだ。』というだけで、何も手伝ってくれません。」との答えでした。これはご夫婦のチームワークが不十分と思い、一度ご主人と共に受診してもらうよう頼みました。ちなみにご主人はアトピー性皮膚炎はありません。

アトピー性皮膚炎の方々は強い痒みで、掻きたくはなくても掻いているのが実情です。ですので、「掻いてはいけない」「掻いてはダメだ」と言うのは、かえって患者さんにストレスを与えるので禁句です。私は、リント布(というソフトな布)でカバーした上からなら掻いてもかまいません、というようにアドバイスしてストレスを緩和しています。

その女性は、ご主人がスキンケア―を手伝ってくれないばかりか、「掻いてはダメだ」と言われて、更にストレスが強まり、痒みも増強し、不安も出てきて、改善が遅れていました。そこでご主人に来てもらい、上記の事を説明し「掻いてはダメだ」と言わないようにお願いすると共に、スキンケア―を手伝ってもらうように頼みました。

ご主人はそれらを理解してくれ、それからは時々は一緒に受診するようになりました。すると急速に改善が見られ、痒みもあるが以前ほど強くはなく、傷も著明に減少しました。初診から2年後には、軽度のアトピー性皮膚炎があるのみとなり、2年半後には完治しました。最初はご夫婦のチームワークが悪く、悪化状態が長引いていましたが、その後チームワークを確立して、愛情で完治した例です。私はもっと早くご夫婦のことをきけばよかったと反省して、現在は改善状態が悪い時は、さしつかえのない程度に、ご家族のご協力体制を尋ねるようにしています。

 実例2.ステロイドを30年以上塗布し、改善しないのでプロトピックも10年間併用塗布して、それでも効果がないので、自分でそれらを中止して、リバウンドを起こした成人男性が、奥様と共に近畿地方の他府県から受診されました。全身じくじくで浸出液も多く、顔面や手足も腫れあがり、この方もMRSAと思い、その治療をしながら検査をするとMRSAが検出されました。またこの方もその後カポジ水痘様発疹症を発症されました。しかし、それも抗ウイルス薬で改善しました。

この方は毎回奥様と共に受診されました。尚、奥様はアトピー性皮膚炎はありません。そしてご夫婦で、リバウンドの説明をよく聞いて理解し、いつも一生懸命質問をして帰られました。もちろんスキンケア―も奥様がサポートしていました。痒みも強く、不眠も最初はありましたが、奥様の励ましもあり、不安は強くはありませんでした。

更にこの方はリント布カバーを色々工夫して、掻いても傷ができないようにしていました。ある時は、足のリント布を上からとめるのにストッキングをはいてきて(奥様のアイデアというとでした)、うまくカバーしていました。そして、痒みも不眠も速やかに改善しました。

ご夫婦のチームワークは抜群でした。ご夫婦で協力するのが楽しいようで、改善につれ外来でもよくお二人が微笑むのが印象的でした。そうするとこの方は約2ヵ月後にはリバウドが改善し、半年後にはアトピー性皮膚炎も著明に改善し、何と9ヵ月後には治癒しました。そこで投薬を中止しました。その後1年後に再診されましたが、その時は診察のみと言う感じで、投薬も不要で完治していました。それ以後再発もなく、現在は受診しておりません。ご夫婦のチームワークが最初からよく、そのため改善、治癒が非常に早かった、嬉しい例です。

このように、ご家族のチームワークは非常に大切です。パートナーがいる場合はパートナーとの協力で頑張って下さい。またお子様がアトピー性皮膚炎の場合は、お母様がケアーをする中心になりますが、一人ではかなり大変ですし、ストレスもかかります。是非、お父様もご協力されて、チームワークでアトピー性皮膚炎を克服してください。







 


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