アトピー性皮膚炎は小児や成人ともに細菌感染症の関与が大きい疾患ですが、このことがまだまだ知られていません。当クリニックでは、必要に応じて皮膚の細菌培養をして細菌を検出し、それぞれに効果のある抗生物質を使用して治療しています。それがアトピー性皮膚炎の改善に非常に効果的です。よく検出されるのは黄色ブドウ球菌やMRSA(抗生物質に耐性の黄色ブドウ球菌)等ですが、それらのよる感染症は、治療で改善します。

 

 実例1.他府県から色々な医療機関に受診しても改善しない小児の方が受診されました。ステロイド治療もされて、漢方治療もされたり、色々な治療をされていました。とびひ状態で、MRSAだと思いました。このお子さんは今まで抗生剤の投与は受けていましたが、細菌培養は一度もしたことがなく、どのような細菌によるとびひ状態か不明でした。

 

皮膚の細菌培養をして、MRSAに効果のある抗生物質を投与し、当クリニックの内服と外用の治療をしてもらいました。細菌培養の結果はやはりMRSAでした。その後治療が著効して治癒されました。過去に処方された抗生物質はMRSAには無効でした。このように、きちんと調べて有効な抗生物質を投与することが大切です。

 

 実例2.ステロイドとプロトピックを長年塗布されている成人の方が受診されました。全身、じくじくでとびひ状態でした。細菌培養は一度もされていません。この方もMRSAによりとびひ状態と思い、皮膚の細菌培養をしてMRSAに効果のある抗生剤を投与して、当クリニックの内服と外用の治療をしてもらいました。

 

細菌培養からはMRSAが検出されました。この方はステロイドとプロトピックを中止して、強いリバウンドを起こし、MRSAによるとびひ状態も悪化しました。しかし、この方はリバウンドをよく理解され頑張ってとびひ状態もリバウンドも改善し、その後治癒されました。

 

皮膚の細菌培養は皮膚を軽くこするだけです。情報は多いので非常に有効な検査です。この検査がアトピー性皮膚炎を治療している医療機関で実施されることを願います。

 

 

 夏は体調不良にて沢山の患者さんへご迷惑をおかけしました。回復しておりますのでご心配くださいました皆様にこの場をかりまして改めて感謝申し上げます。では今回はプリックテストについて伝えたいと思います。

 

プリックテストとは、アレルギーの検査で皮膚にアレルゲン液を落として軽くひっかき、皮膚のアレルギー反応を見るものです。アレルギーがあると10−15分後に膨疹(じんましん様の盛り上がり)と紅斑(周りの赤い斑点)ができます。赤ちゃんから高齢者の方まで簡単にできます。更に血液検査より正確です。

 

母乳授乳の数ヵ月のアトピー性皮膚炎の赤ちゃん達が受診されますが、プリックテストをすると卵や牛乳等のよくあるアレルギー以外にも、チョコレートアレルギーのある赤ちゃんがいることがあります。これはお母さんがチョコレートを食べて、それが母乳を介して赤ちゃんに入り、チョコレートアレルギーを起こしているからです。

 

そういう場合は、お母さんに卵アレルギーの場合は卵を、牛乳アレルギーの場合は牛乳を除去してもらい、それと一緒にチョコレートも除去してもらいます。尚、チョコレートは牛乳を含んでいますので、牛乳アレルギーの強い場合はチョコレートも一緒に除去します。そのような除去と当クリニックの治療でアトピー性皮膚炎は治癒します。

 

成人の場合も明らかな食物アレルギーは無い方の場合でも、悪化因子しての食物があります。ある方は、プリックテストでイーストアレルギーとわかりました。この方は朝食にパンが好きで、パンのイーストが悪化因子となっていました。パンをやめて、朝食はお米にしてもらいました。またビールにもイーストが入っていますので、ビールもやめてもらい、そうして治療をすると改善が早く、その後その方のアトピー性皮膚炎は治癒しました。

 

 

 

 

 アトピー性皮膚炎では長期の治療が必要です。特にステロイドを使用していて中止によりリバウンドを起こした場合、痒みが強く不眠で困っている場合、細菌感染症や単純ヘルペス感染症を繰り返す場合、等、改善と悪化を繰り返すことがあります。しかし、次第に改善が悪化より多くなり、回復に向かいます。

そういう時に大切なのは希望です。特に今は情報が氾濫していて、ステロイドの利点だけを伝える情報もあります。しかしステロイドは一時しのぎの薬です。長期塗布では色々な副作用が出ます。私は、アトピー性皮膚炎の治療では、患者―医師の信頼関係が非常に大切で、協力して一緒に治療するというスタンスで診療しています。そして、私の経験から希望を与えられるような情報をお伝えしています。

更に、当クリニックでは、素晴らしいスタッフの方々がチームワークで診療を支えてくれます。これは病院勤務ではなかなか難しく、クリニックでの診療の大きな利点で、スタッフの方々に感謝する日々です。私はできるだけ詳細に説明してはおりますが、診療後も待合室でスタッフの方々が患者さん達に色々なアドバイスをして、患者さんをサポートしてくれています。

 実例:小児の方でステロイド中止後のリバウンドで受診されました。全身のリバウンドで、痒みも非常に強く、夜も不眠でした。細菌感染症も合併していて、浸出液で全身がじくじくでした。当クリニックの治療で改善は見られましたが、全身のひっかき傷も多く、かゆみと夜間の不眠は続き、ご両親が非常に疲れて、一時的にステロイドを使用を希望されました。

私はもちろん詳細に説明してステロイドを使用しないようにアドバイスしました。しかし、ご両親が今の辛さから一時的にも開放されたいという気持ちも強く、迷う日々でした。そういう時、スタッフの方々がご両親に色々アドバイスして下さり、ご両親は希望を持つことができ、結局ステロイドを使用せずに、お子さんは約1年後には著明に改善されました。

 


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